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「革」に関する豆知識

皮と革

まずは「皮」と「革」の違いについてご紹介いたします。

「皮」とは、「動物の体を包み、保護していたもの」を指します。
小動物の皮は「スキン」、牛など大きな動物のものは「ハイド」とも呼ばれます。
ちなみに「皮」という字は、動物の皮を手で剥ぎ取る形が由来になっているそうです。

剥ぎ取られた生の皮はすぐに腐敗し、乾燥することで固くなっていきます。
そこで、腐敗や乾燥を防ぎ、柔らかい状態を保つ技術が生み出されました。

これを「なめす」といい、漢字では「革」と「柔」を合わせて「鞣す」と書きます。
「革」の字は、動物の皮を開いて鞣す様子が由来となっています。

つまり、鞣していないものが「皮」、鞣された皮が「革」や「レザー」と呼ばれることになります。
毛が付いた状態で鞣した場合は「ファー」と呼ばれます。

鞣し革の種類

同じ動物の革を使用しても、その個体の性別や年齢、生活環境などによって性質が異なります。
また、鞣す方法によっても性質に変化をもたらすことができます。
ここでは、代表的な手法をご紹介いたしますのでご参考にしてください。

タンニン鞣し革

主に植物タンニンを使用して鞣された、薄い茶褐色の革です。
クローム鞣し革よりも伸びと弾性が小さいことが特徴です。
また、堅牢で吸水性・可塑性があるので、湿らせることで型が付けやすくなり、立体加工がしやすい鞣し方でもあります。
手縫いやスタンピング、カービング、染色などに最適です。

クローム鞣し革

クローム塩(3価クロム)を鞣し剤とした革です。
市販されているクローム鞣し革は、着色仕上げが施されていることが多いです。
柔軟で軽く、耐熱性が高いことが特徴で、袋物や衣料、靴などによく使用されています。

コンビ鞣し革

2種類以上の鞣し剤を使用して鞣した革です。
使用する鞣し剤は用途や目的に合わせて選択されます。
例えば、植物タンニンで立体加工をしやすくした後、合成タンニン剤で白っぽい色に加工する、ということが可能です。

革の特性

革の特性

革は、素材となる皮の種類や鞣し方によって様々な性質を持たせることができますが、下記のような性質は、「革の特性」として概ね共通しています。
制作の際に何かと役立ちますので、是非覚えておきましょう。

■長所
吸湿性に優れている/気温による変化が少ない/保湿性がある/適度な弾性と塑性を持つ/いろいろな形状に加工できる/切り口が裂けず、ほころびない

■短所
傷の有無や色などが部位によって不均一/湿度によって伸縮する/かびやすい

また、革にも繊維があるため、伸びやすい向きと伸びにくい向きがあります。
図の矢印方向に強く(=伸びにくく)、その直角方向には弱い(=伸びやすい)ことを覚えておきましょう。

部位と名称

手縫いコース

バット

ショルダー、ベリーを除いた主要部分を指します。
繊維が密で丈夫なため、質の良い革であると言えます。

ベンズ

バットを背中で二分割したものです。

ショルダー

肩の部分です。繊維が太く密度が粗いことが特徴です。

革の単位

牛などの大きな動物は背中で左右にカットし、サイド(半裁)として鞣されて売られます。
豚や羊、山羊などの比較的小さな動物は、一枚のままで鞣されて売られることが多いです。
その際、DS(デシ)という面積の単位で取引されています。
DSはSquare Decimeterのことで、1DSは10cm×10cmとなります。
また、表側を銀面と呼び、裏を床面と呼びますので覚えておきましょう。

シェリダンスタイルカービングとは

「シェリダンスタイルカービング」は日本でも人気のカービングスタイルで、この名前をご存じの方も多いことと思います。
しかし同時に、「シェリダンスタイル」とはいったい何なのかをご存じない方も多くいらっしゃるでしょう。

「シェリダン」は、アメリカ合衆国のワイオミング州にある郡の名前です。
そして、シェリダンに住んでいたカーバー「ドン・キング」が確率したスタイルであることから、「シェリダンスタイルカービング」と呼ばれています。
花と茎をメインに構成された、丸みを帯びたデザインが特徴です。

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